幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

ホーリー・モーターズ

アネット以来、レオス・カラックスの映画が観たくて、Tokyo!に続いて(どちらもPrime Videoにあったので)。

冒頭いきなりレオス・カラックスが出てきて(アネットもそうだった)、さらに白いリムジンに乗って、いろいろな人を演じることを請け負うオスカー(ドニ・ラヴァン)の一日、という流れで、やはりいろいろな映画を作ってきた(そしてその主役は大体自身の投影)レオス・カラックス自身を描いた映画なのか、と思えた。

以下、ネタバレあり。

 

が、その後の展開からラストへ向けて、同じ仕事をしているエヴァジーン(カイリー・ミノーグ)がやはり白いリムジンに乗っていて、さらに1日の仕事を終えた白いリムジンがたくさん戻ってくる、ホーリー・モーターズという会社が出てくることで、人間全てが常に何らかの役を演じることを強いられているという、より普遍的なテーマになっていると受け止めた。

こう書いてしまうと陳腐なテーマのようだけど、映像や音楽、ドニ・ラヴァンの演技がどれも良くて、エヴァジーンとの再会と別れの部分の悲しさも、印象に残った。

途中で出てくる"Merde"は、Tokyo!で出てきたまんま(ゴジラのテーマも!)で、よほどお気に入りだったのか。また、ラストでリムジンのドライバーであるセリーヌが仮面をつける場面は「顔のない眼」からの引用とのことで、この映像を見ると他にも引用がありそうで、こちらも観てみたい。

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