幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

夏のドラマ

吉田修一は「パレード」の後味悪い終わり方が気に入って「熱帯魚」も読んだりしていたということで、みている「東京湾景」。これ本当に吉田修一?といいたくなる場面が多いのが気になるが、人の本当の姿なんて他人にはわからないものだしわかる必要もない、とわかりあうことを冷たく突き放した人間観が月9にどうはまりこんでいくのかが興味ある。 原作も映画もみてないけどあの麦わら帽子のコピーは当然知っている「人間の証明」。ドラマそのものよりもまず池内博之が黒人役をやっているのだけど、これがどうみてもコントにしか見えなくて笑ってしまった。 「南君の恋人」武田真治高橋由美子のときのをぼんやりみていたのだが、脳天気な中にほろりとさせる場面があったりして意外におもしろかったのをおぼえている。深田恭子の脱力系の演技はあれでいいと思うけど、ライバルの野村麗花役が宮地真緒というのは微妙だ。前のドラマのときは千葉麗子がやっていてもっと怖い感じがした。あとは先生役が田辺誠一もどきのへんなおっさん、と思っていたら田辺誠一だったので驚いた、なんか表情が抜けすぎて別人みたい。 「逃亡者」は下敷きになっているストーリーがおもしろいのでやっぱり期待してしまう。1話の前半フラメンコ調のBGMに画面をいっぱい分割した効果が鼻について嫌な予感がしたけど、直球勝負でいってほしい。 あざとい、と思ってしまったのが「ラストプレゼント」。軽くはみれない話だし制作現場の人は真面目に作っているとは思うのだけど、どうみても「僕の生きる道」「僕と彼女の生きる道」を足して主人公を女性にしてみた、という感じがぬぐえない。 春のドラマの「ホームドラマ!」にそっくりで驚いたのが、「君が想い出になる前に」。かなり暗くて、もうみないかな…、でも光彦(椎名桔平)が襲われたことの影に会社がらみの陰謀があるとかなるとおもしろくなってくるのかもしれない。 世界の中心で、愛をさけぶは原作の売れ方からして贋物っぽい雰囲気が漂っていて絶対みないつもりだった。でも堤幸彦演出だったのでみてみようと思っていたのにうっかり3回連続見逃してしまって、結局みないか。 「僕の魔法使い」とか「マンハッタン・ラブストーリー」みたいなナンセンスものが大好きなので、そういうのがないのが寂しい。