幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

ブラウン・バニー

特にこれといったストーリーがなくても、これほど心揺さぶる映画を作ることはできるのだ。

決して、誰にでもすすめられる映画ではないが。

最初から最後までバド(ヴィンセント・ギャロ)はコワれたままなのだが、その横顔がとにかく切ない。美しい映像がそれをいっそう盛り上げている。特にThe Bonneville Salt Flatsのシーンは、彼の心の空虚さを表わしているようで美しくも痛々しい。

以下、少しネタばれ。

そして、ラストのカットは強く心に残るラストの一つになった。画面が暗くなる直前で画が止まった、あの時間がすごく長く感じられて不思議な感覚だった。