幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

ポール・オースター「トゥルー・ストーリーズ」

ポール・オースターのエッセイ集。

自伝エッセイの「その日暮らし」はなかなかおもしろかった。

これだけ食べることに苦労した経験のためか、その後のエッセイ(「ゴサム・ハンドブック」「段ボール箱考」)で貧しい人々に向けるやさしいまなざしには説得力がある。

本書の売りでもある、実際に経験した偶然の一致みたいな部分には、それほど驚かなかった。

僕もそういう経験はしているし何より「世間は狭い」はたぶん本当のことで、気づくか気づかないかだけの問題じゃないかと思うから。きっとポール・オースターはそういう一致を探すのが大好きでたくさんのことを見つけ出せるのだろう。

多くの人が自分の日記やなんかをインターネットで公開している今なら、そういう偶然をみつけるのも簡単になってるかもしれない。

「訳者から」に出てきた、ポール・オースターが絶賛し、自身フランス語から英語に訳したという本を読みたい!と思って探したら、あったので注文した。タイトルは「大いなる語り―グアラニインディオの神話と聖歌」。楽しみだ。