全体的な雰囲気はのほほんとしたものなのだが、僕はみてて切なくてしかたなかった。
豊川悦司演じる一郎はバカボンのパパみたいな世捨て人で、とっくに日本という国(というか政府)を見捨てている。周囲とのしがらみから逃れようと家族をつれて東京を脱出するのだが、今の日本で国と無関係に生きられる場所などあるはずもなく次第に追いつめられていく。
ただ、そんなバカな父親にけなげについていく子供たちだけが切ないと感じたわけではない。追いつめられていく一郎は、若い頃に想い描いた理想を捨てきれず現実と折り合わないまま歳をとってしまった報いを受けているようで、とても哀しくみえた。
原作は読んでないので、また読んでみると違う感想になるのかもしれないけど。