これまでいろいろとスタートアップ関連の本を読んだけど、この本ほど腑に落ちたものはなかった。
(まっさらな状態でこの本を読んでそうなるのか、他の本も読んできたからそうなったのかはわからないけど。)
本書のすばらしいところは「リーン・キャンバス」に尽きる。
これをみた時に今までモヤモヤしていたものがスッキリしたのだ。リーン・キャンバスの各項目自体は決して目新しいものではなく、他書でも書かれているものではある。ただそれを1枚のシートにこのレイアウトでまとめたことでそのアイディアの根拠がわかるし(根拠が弱いことも明らかになる)、検証を進めていくプロセスとの親和性も高くて、よくできていると思う。
もう一点わかりやすかったことは、スタートアップのアイディアを生み出す方法に秘訣や近道はないことを前提としているところだ。これまで何となくこういうところに期待して本を読んだもののピンとこない、ということが多かったが、その理由がよくわかった。
たくさんのアイディアを試すことが重要であり、このサイクルを多く回せることが成功の確率を上げることになる。本書はそのためにもダメなアイディアを早い段階で時間を無駄にせずに、ふるい落とす方法にフォーカスしたものと言える。
「ビジネスロードテスト」なんかも同じ系統の本だったかもしれない。また読んでみないと。