幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

スノーデン

映画としては評価不能というタイプの作品。ただなかなか衝撃的な内容だった。

いわゆる「スノーデン事件」については、ニュースで読んだり、海外のドキュメンタリーで見たりして、それなりには知っているつもりになっていた。ただそのドキュメンタリーはどちらかと言えばスノーデンの告発をメディアで公開する決断をした人たちの立場で描かれたもので、実際に政府がどのようなことをやっていたのかという描写はあまりなかった。

本作では、NSAの職員がGoogle検索のように、クラウド経由で秘密に行われているはずの個人間のコミュニケーションから特定キーワードが含まれる会話を抽出する様子が描かれている。もちろん報道されている内容から考えられる「やれるであろうこと」からすると当たり前と言えるのだが、実際にビジュアルでその様子を見せられると本当に恐ろしいという気持ちが湧き上がってくる。
真実なのか映画としての演出なのかはわからないのだが、スノーデン本人が映画の最後に出てくる(ここであれ本人だっけ?と思う程度にJoseph Gordon-Levittはスノーデンになりきってたと思う)ので、ある程度はこのとおりなのだろうか。

結局のところ、AIにしても「正しく」使いさえすれば世の中の役に立つことは疑いようがないものの、そもそも「正しい」とはどういうことか、またどのようにして、正しく使われることを担保し続けるのか、という問題に帰結してくるし、その結論は出ていない。
GAFAの問題と同様に報じられているとおり、「自由」な文化を背景に急激に進化を遂げてきたITがこれまでとは全く違う局面を迎えていることは確かだと思う。

僕自身、Facebookが個人情報を勝手に他社と共有させていたり、個人情報をマネタイズすることを検討していたというニュースをみて以降、FacebookInstagramは極力避けるようになってるけど、やめることまではできない。ユーザとしてもこの問題にどう付き合っていくべきか、まだよくわからない。