幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

アイデン&ティティ

公式サイト

いきなりちょっとネタバレになってしまうけど…

中島が「ロックを単なるブームとして扱ったバカどもに捧げる」と叫んだところで涙が溢れだした(その後エンドロールでもう一度)。この中島を演じた峯田和伸が素晴らしかった。

ロックというのは音楽の一つではない。簡単に言葉で言い表せるものではないけれど、もっと重たいものを背負わされているのだ。

僕には中島のようにディランは見えなかったけど会社で働きだしてからでもずっと、「これはロックなのか?」と常に自分に問いかけるもう一人の自分、そして「Yes」と答える自分がいた。この映画をみてそんな自分が何年か前にいなくなってしまってたことに気がついた。

ロックを単なるブームとして扱ったバカどもに捧げる

ロックで金儲けしようとしたバカな大人たちに捧げる

自分のことをあまりにも知らなさすぎるバカどもに捧げる

ロックを冒涜するミュージシャンもどきに捧げる

何の疑問ももたず漫然と暮らしているやつら

他人の人生を笑いものにするやつら

今のお笑いブームってイカ天バンドブームに似ていると思った。若い人たちが新しいものをつくり出してブームをひっぱっているようにみえて、実は老獪な大人たちの枠組みにしっかりとはまってしまってる。

でもマルコシアス・バンプはほんまにかっこよかったなぁ…。