幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

映画「美しい星」

gaga.ne.jp

原作を知るきっかけはこの映画公開のニュースだったので、みないといけなかったのだが、本当にガッカリした。

こんな作品だったっけ?と再度原作を読み直したが、原作では終盤の羽黒一派との人類の救済を巡る対決が何度読んでも感動的だった。

本映画はこれを台無しにしていて、ただただ原作の設定に地球温暖化という旬なテーマを織り込み、寓話的な不思議な話(世にも奇妙な物語みたいに)みたいなまとめ方をしていた。

原作が書かれた当時(1962年)は米ソの核競争のエスカレーション下にあり、ボタン一つによる人類滅亡が現実的と見なされていて、かつ日本が高度成長期を迎えて工業化とその弊害が急激に進んでいた頃であり、人類の未来に対しての強い疑問があったのだろう。それを現代に置き換えて地球温暖化への警鐘を鳴らすつもりだったとしてもものすごく中途半端で、何が言いたいのか全くわからない。