幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

隆慶一郎「影武者徳川家康」

影武者徳川家康〈上〉3巻にもなる長い物語。けれどおもしろくて一気に読んだ。 関ヶ原の戦いの中で徳川家康が暗殺されその後の家康は実は影武者だったという設定もおもしろいが、そういう「別の歴史」のような部分よりも物語そのものの方が遥かにおもしろい。歴史にそれほど興味がなくても(僕も読みながら疎い部分はあれこれ調べながら読んだ)十分楽しめる。 美しいラストも感動的でよかった。 途中、影武者二郎三郎の味方となる人たちの賛美合戦がしつこい気もしたが(「エースのねらえ」の後半みたいに、「なんていう人だ!」とか「ゆきとどくとはこういうことを言うのか!」みたいな)、それも最終的には許せてしまうほど魅力的な登場人物もよい。