「日本のいちばん長い日」はよかったが、本書は期待したほどではなかった。
もちろん史実に沿って書いてあるので、都合よくわかりやすい何かが起きるものではないのはわかる。
ただ、広田弘毅の「自ら計らず」「名より実をとる」というのは、もどかしくて読んでいてイライラとなった。平静な世の中であればよかったのだろうが、激動の状況では結局流れに飲み込まれるだけだった。
それにしても、「失敗の本質」で感じたことに加えて、日本の組織は(と一般化するのは乱暴かもしれないけど)部分最適に走る傾向が強いと改めて思った。各部が違うことを目指して突っ走る中で、それぞれの悪い手だけをバラバラに選び取って最悪の結末に至る過程が描かれている。