幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

高杉良「辞令」

Amazonで安くなっていたので読んでみたが、1988年の作品で今読むと色々と微妙すぎる。 業者から夫婦で10日間のヨーロッパ旅行の接待を受けたことを、女性同伴の旅行接待を受けたと噂を流され窮地に立たされる主人公。それを夫婦で行ったのだからいいだろう的に庇ってもらうとか。 財テクで会社に巨額の利益をもたらしたのだから、そのインサイダー情報などを得るために裏金を作って情報提供者を接待していたのは、多めにみろだとか。さらにその情報を自分でも使って利益を得てマンション買っちゃってたとか。今なら一発アウトの案件ばかり! とにかく仕事そっちのけで社内政治に熱中する男たちの姿が格好良く見えるわけもなく、ちっちゃすぎないか?と悲しくなる。 とはいえ、コンプライアンスの基準は別としても、現代の自分たちを映す鏡を見せられているからこそ、嫌な気分になるのかもしれない…。