幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

トロイ

ハリウッドの超大作といわれるものも作風がだいぶ変わってきたような気がする。一時期の、制作費がいくらだとかCGがすごいだとかいうだけで、肝心の話が単純すぎて悲しくなってしまうような(インディペンデンスデイとかアルマゲドンとか…)ものでは客も満足しなくなったということか。

トロイは、まず主人公のアキレスがしょうもない優等生的超人でないところがよかった。自分は闘わずして己の欲のために平気で戦争を起こす王へ不満を持ち、敵を殺すことに悩む。ブラピが肉体改造してまでがんばって演じただけのことはある魅力的な役だと思う。

また時期的に考えすぎなのかもしれないけれど、反戦のメッセージ(それも結構硬い)がかなり強く打ち出されている。特に戦争のために家族を失う悲しみが強調され、それがストーリー展開にもいかされていて単なる大戦争エンターテインメント映画ではなくドラマとして楽しめた。途中何度か涙しそうになったし。

ストーリーは、後の方で「あ、トロイってあのトロイの木馬のトロイか…」と気がつくくらい世界史(史実かどうかすら知らない)に疎い僕がみてもわかりやすかったし、逆に知らないだけ最後までどうなるかはらはらとみることができた。気になったところは、キャストがロード・オブ・ザ・リングと微妙に重なっていたことと、ヘクトルの嫁さんが叶姉妹の姉にみえてしまったことくらい。

最初から最後までおもしろい映画だった。