WOWOWのdramaWシリーズ。
事実を淡々と追っていくぶつ切りの展開が、物語に入り込んでいくのを拒んでいるようでみていてちょっとしんどかった。事件の全貌が明らかになっていく終盤に入っても淡々とした展開は変わらない。おまけに事件の小説化・映画化ということまででてきて、さめてきた。
失敗作かな?と思い始めたところで、突如そのシーンがやってきた。石田が出頭する日の場面。警官を呼びに交番に使いに行く信子が、味噌汁を食べている石田をみて傘を手にとって、走り出す。ここでなぜだか急に涙がこみあげてきた。わかりやすい感動を描いた場面ではなかったのだけど、それまでのぶつ切りのエピソードで徐々に登場人物に心情移入してきたものが、このシーンで一気に大きなかたまりになったという感じだった。
このシーンだけでも、いいものをみたという気になれた作品だった。