幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

フィッシュマンズ全書

フィッシュマンズ全書こんな気持ちになるくらいなら読まなければよかったというのと、だからこそ読んでよかったという部分が半々という感じ。 僕がフィッシュマンズに出会ったのは昔の日記によると2003年(8/3のところに書いてあった)。"Weather Report"を聴いて、ポエトリーリーディングみたいな部分もあって(詩もよかった)それでいてすごくポップでサイケで、「こんな音楽があったのか!」と本当に泣きそうになるほど感動したことをよく覚えている。 名前や後期のアルバム名は雑誌でよくみたので知ってたけど結局活動期にはまったくかすらなかった。すでに佐藤伸治はこの世にはいなくて、そのことも知っていたのでその後、昔のライブ映像などをみても心揺さぶられることはあっても喪失感を抱くことはなかった。 この本にはフィッシュマンズがデビューしてからのインタビューや記事がたくさん入っていて、これを読み進むうちに何となく生きた佐藤伸治というものが実感できるようになった。 それだけに彼がなくなる頃の記事を読んでると、これまでなかった喪失感を抱いてしまいとてもつらかった。 僕はやはり「宇宙 日本 世田谷」「Long Season」みたいな、この世を飛び越えてしまったとしか思えない雰囲気を漂わすアルバムが大好きだし、こんなものを作ってしまったからには生死は別としても、もう音楽なんてやれないのではないかとも思ってしまう。 その後のフィッシュマンズ佐藤伸治のたどった道はどこか必然とも思えて不思議な気がする。 「佐藤伸治のレコード棚」というところはとても興味深かった。ジャーマンロックの話が少し出てたのでCANがあるのでは?と思ったが、なかった。