幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

説得の戦略

説得の戦略 (Harvard Business Review Anthology)今の組織は経歴もバックボーンもバラバラな人が集まっていて、かつ小さい組織なので、立場もいろいろな人がまとまって仕事をしている。 そうなると相互理解、認識の統一というのが人数が少ないにも関わらずとても難しい。いろんな人がいたと思ってた前の会社でも結局は均質な人の集団の中にいたのだと思い返すこともしばしば(それでも無駄にコミュニケーションということを強調することもあって、それはそれで鬱陶しかったけど)。 まず互いに考えていることを交換しあう場を作ってみて、うまくいったものもあれば、全然ダメなままのもあり、という状況で最近ストレスが溜まってきたこともあって、思わず手に取った本。 HBRに掲載された記事からテーマに沿ったものを集めたものなので、記事によっては軽く読み流したものもあったけど、「対話が組織の実行力を高める」はよかった。
対話は知的労働者の生産性と育成の礎となる最も重要な要素である。まさに、対話の中身とスタイルとが社員の行動や信念、すなわち組織風土を形成する。 (略) 最も成功した組織とそうでない企業とを分ける真の要素は、商品や経営上の強みではない。そのいずれもが借りたり、模倣したりできるからだ。簡単に模倣できないのは、意思決定を導く対話と、強固な組織運営メカニズム、そしてこの二つにフォロースルーとフィードバックを結びつけることである。
こういった考え方の紹介から入って、具体的な生産的対話のための手法まで紹介されている。 現状と到達すべき場所に関する認識が統一され、個々人の能力がそれを実行できるものになっていて、うるさく言わなくても次々を成果を上げられる「大人の集団」が理想だけど、そこに至るまでには、こういうことからはじめないといけない。