幻覚ギター

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「清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実」

ひねくれた当時最弱のスワローズファンの高校生だったので、PL学園、中でも同い年のKKコンビは大嫌いだった。 PL学園を倒してくれそうな学校をとにかく応援してたし、取手二や伊野商がPLに勝った試合は今でもよく憶えている。 しかし桑田が巨人へ、そして巨人を熱望していた清原が西武に行ってからは、清原の方だけは応援していた(FAで巨人に行ってからは除く(笑))。入団一年目で31本塁打を打ったのには驚いたし、野村スワローズとの最初の日本シリーズ対戦で、荒木大輔から打ったホームランの凄さもよく憶えている(今見ると少し甘いとも思えるけど、外角の変化球をあんな簡単にホームランにするとは:ただ清原はこのシリーズではそれ以降あまり活躍してない)。 そんな清原が甲子園で打った13本のホームラン。それぞれ打たれた投手を30年後に取材したのがこの本だ。 長い年月を経ているので美化したり大袈裟になっているところもあるとは思うけど、それにしても、打たれた投手が皆驚く清原のスイングスピード(打たないと思ったら突然バットが出てきて…)と強運(なぜか甘いところに行ったり変化球が落ちなかったり)には、やはりそういうものなのかと感心した。 一方で、気さくに他校の選手と打ち解ける普通の高校生らしさとのギャップも面白い(桑田の変人じみたエピソードもすごいけど)。 そして、打たれた投手、また登板できなかった投手たちのその後も波乱万丈なものが多い。甲子園のマウンドに立つなんて、それだけでかなり特別な経験だし、そこに来るまでに犠牲にしたものが大きかったのか、彼らもまたある意味「特別」なのか。一度追跡調査して統計取ってみると本当に高校野球が教育に役立っているのか評価できるかも。 読んでて、ジーンとするところもあって、こんな気持ちにさせるプロ野球選手なんてそんなにはいないと改めて思う。何らかの形で野球に戻ってきてほしい。