幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

ピエール・クラストル「大いなる語り-グアラニ族インディオの神話と聖歌-」

大いなる語り―グアラニ族インディオの神話と聖歌ポール・オースターに導かれて出会った本。ピエール・クラストルが南米インディオグアラニ族の神話と聖歌を採録したもの(1974年にフランスで出版)。 一つの価値観のもとに世界を収束させようとするものに対する痛烈な批判でもあるし、訳者あとがきにあるインディオたちがうけた虐殺や現在の悲劇はショックだ。 強者が弱者を飲み込んでいくのではなく、世界が一つになるなんていうのはやはり夢なんだろうか(すごい難しいということは認めるけれど…)。 そういう難しいことを考えなくとも、素朴な詩集のように読むこともできるので是非たくさんの人に読んでみてほしいと思う。
わが息子たちよ、ぼくの声が聞こえるか?ぼくはおまえたちに忠告しているのだ。ぼくはもうここでは幸せに感じない。この堕落した大地を、他ならぬぼくたちは捨て去ろう。この堕落した大地の上に、ぼくたちはぼくたちの体を置き去りにしよう。だがぼくたちの<言葉>については、そう、ぼくたちの<言葉>は、天空に持っていこう。ぼくたちの<言葉>については、ぼくたちはそれを天空に持っていかなければならない。