ニコラス・ケイジ主演ということでもっと軽いものを想像していたし、どこかコメディっぽい描写もあっただけに、ラスト近くの展開には完全に裏切られて圧倒された。
後味は決して良くないが、心に残る映画だった。
以下、ネタバレあり。
その人自身がいなくなっても需要そのものはなくならず、誰か他の人がやるしかないこと。あまりに多くのしがらみがあってなくすことができないもの。
そういう「必要悪」と呼ぶべきものは武器商人のようなものだけでなく、身近に遭遇することがこれまでもあったし(もちろん武器商人と比べられるほどのものではないけれど)、それを何とかしようとしてどうにもならないことに気づいたときの虚しさも感じたことがある。
それだけにラストでバレンタインに対峙するユーリーの開き直ったセリフはとても重かった。
そして「実際の出来事に基づく」という以降のテロップにはゾッとさせられた。