幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

「野村ノート」

野村ノート (小学館文庫)野球ファン、スワローズ/野村克也ファンである僕にとってはすごくおもしろい本だった。

ID野球については、テレビでみて知っていることが多かったので驚きはなかったが、野村監督が選手をどのようにみていて、どんなアドバイスを与えたのか、といったエピソードがおもしろかった。

また、これもテレビでの発言(以前、何かの番組で歴代ベストナインを選ぶ企画がありそこで古田敦也が自分を選んだことが相当気に入らない様子だった)から伺えたことだったが古田敦也との関係も興味深い。

自分が育てた超一流のキャッチャーだということは自慢したい一方で、年賀状を一度もよこさないとか自信家・過信家だと批判するなど、愛憎混じった感情を素直に露呈しているのがよい。

古田敦也側の気持ちも知りたいところだ。

一番笑ったのは石井一久も年賀状をよこさないことに対して、「彼の性格とでもいうのだろうか、常識を心得ないところがあって、人と感覚が違うのだ」と書いてあったこと(笑)

2013-12-01追記:

NHKでやってる「古田敦也プロ野球ベストゲーム」で1993年日本シリーズ第7戦、広沢のショートゴロで古田が命令違反のギャンブルスタートして生還する、というのが取り上げられてた。

野村と古田が揃って当時を振り返っていた。

- おそらく自分が育てたと言いたい気持ちはあるが、そうは言わずに「育てたというより出会っただけ」と本人の前で(皮肉交じりに?)持ち上げる(古田は当然恐縮)。

- ギャンブルスタートしたことを古田がはじめて謝ったことには、「遅いわ!」と言いながら「選手が自主的に判断して動くということが理想」(その前に自分はやはりヘボ監督だとも)。

- スタジオのシーンで、古田が「野村監督はもっとストレートに選手に指導していたが、自分が監督の時は選手に気を遣ってあまり感情を表に出せなかった、もっと出すべきだったかもしれない」。

やはりこの師弟関係はおもしろい。