幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

「ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか」

転職以来やっていることの周辺がバズってることもあって、ちょっといろいろと見失っていたかなと気づかせてくれた1冊。 漸進的なやり方でライバルと競争を続けるより、独占企業を目指すという主張はブルーオーシャン戦略に通じるところではある。 ただ本書で一番グッとくるところはやり方というより、以下のような目的の部分だった。

本当に社会のためになるのは、これまでと「違う」ものだ。それが新たな市場の独占を可能にし、企業に利益をもたらす。最良のビジネスは見過ごされがちで、たいていは大勢の人が手放しで称賛するようなものじゃない。誰も解決しようと思わない問題こそ、いちばん取り組む価値がある。

こういう感じなので、リーンなんかのような試行錯誤を繰り返す手法は否定される(それでもリーンは優れた手法だと思うけど)。 前半の主張はかなり大胆なところから始まっているが、後半は販売戦略の重要性にも力を入れて書かれてあり、こちらは比較的常識的な内容だが商品価格に応じたセールス手法などは参考になる。 おもしろかったのは、ペイパルが「スター・トレック」のスコッティ役俳優を企業スポークスマンに雇ったときの失敗談。「私は生涯をかけて人間を転送してきたが、今初めてカネを転送できるようになった!」と言わせたとか(笑)。

僕たちはみんなおたくだったので、機関主任のスコッティの方が、カーク船長よりもエライとばかり思っていた(カーク船長はそれこそ営業マンのように、いつもどこかの珍しい惑星でドンパチやっていて、機関士に自分の失敗の尻拭いをさせていた)。