幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

インテル 世界で最も重要な会社の産業史

インテルといえば、wintelで我が世の春を謳歌していたときの、Macユーザからみた憎らしいイメージしかなかった。それにボブ・ノイスの事は恥ずかしながら知らず、ゴードン・ムーアアンディ・グローブの会社だと思ってた。

それだけに本書で描かれる、設立からマイクロプロセッサで圧倒的な競争力を持つ巨大企業への道のりは、トリニティの出会いを始めとする奇跡の物語となっていて本当におもしろい。

日米半導体摩擦とその結末は日米でこれだけ見方が違うのだというのも興味深かった。日本のエレクトロニクス業界が国の支援を受けて攻め込んでくるサムソンやLGをアンフェアだと恨みがましく言っていることが、そのまま当時の日本に当てはまっていたということか。

また、デジタルウォッチ(小学校の頃日本でもめちゃ流行ったなぁ)についての以下の部分からは、スマートウォッチがシリコンバレーがこの分野に挑む初めての事例でなかったことがわかる。

インテルをはじめとするチップメーカーが遅まきながら理解したのは、時計はたとえデジタル式であっても宝飾品産業の一部であることに変わりはないということだ。