幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

「大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した」

一般教養として、単純な興味から読んでみたのだが、思った以上におもしろかった。 よりハードルを低く、万人ウケする方向へ変容した宗派が、結果として多くの信者を獲得して生き残ってきた様子がよくわかる。 「よりスピーディーに悟りを開ける方向」という表現がツボで、エンターテインメントの世界に通じるものだ。 楽しさを得るまでのコストが低いものが一般には受け入れられ、それが競争の軸になって行く。もともとの教えに含まれていた輪廻転生を活かした時間軸の広がり(輪廻転生の中でブッダに何度も出会う)から、パラレルワールド的な空間軸の広がり(無限の多世界が存在しその中にブッダがいる世界が多くある)まで、何でもありなところがおもしろい。 以前読んだイスラム教に関する本で、やたら「ポイント」を稼ぐ活動が重視されていることが、宗教的な活動に熱心な要因なのかと思ったのだが、仏教にもそういう要素があるというのも初めて知った。