思っていたものと違うことがいくつかあったけど、先が気になって一気に読んだ(途中、改めて青空文庫版の「銀河鉄道の夜」を読んだけど)。
以下、ネタバレあり。
まず、タイムループものかと思っていたら仮想世界ものだった。
そしてもう一つが、まさにその仮想世界「システム」についての設定がいろいろと曖昧で、SFというよりはファンタジーであったこと。
そもそも「システム」と現実の関係がいい加減で、ちょっと都合よすぎな気がしたし、そのような脆弱な「システム」を洗脳の道具に使うメディ管もどこか間抜け。
ただ、それらを差し引いても、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の世界を舞台に、体制の陰謀や主人公の母への想い、そして「銀河鉄道の夜」への思い入れが凝集されて、読ませる展開だった。
ラスト近くの展開はやはり泣けた。