幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

わたしたちの教科書

感情を揺さぶろうとする、少しくどい演出が気にはなったが、よかった。菅野美穂や脇を固めたキャストもよかったと思う(唯一伊藤淳史だけは途中から違和感があったけど)。

いじめ自殺にかぎらず、何か起こると誰かを短絡的に悪者にして叩くメディアやそれに踊らされる人々への批判的な視点にも共感できた。

身近なところでも「問題がある」(主観的な見方もあるけど)人に出会うことはある。そんなときに思うのはその人は何人に1人くらいのレベルなのか?ということだ。例えば10,000人に1人というほどのレベルなら、この人だけ避けてしまえば同じレベルの人には一生会わないですむかもしれないが、100人に1人というレベルなら逃げてもまた同じレベルの問題の人にすぐ出会うだろう。そうなると、この世に生きている限りこういう人ともうまくやっていくしかないことになる。

これを世間を騒がす事件や不祥事で考えてみると、問題を起こした人の問題のレベルがたとえ10,000人に1人であったとしても、その人を叩いたところで同じような人はまだまだたくさんいて同じ問題は続くことになる。そうなると重要なのはその人を叩くことではなく、組織や社会としてどうやって問題を防ぐかということになる。

実際はもっと普通の人たちが複雑な事情のもとに大きな問題に関わってしまっているパターンの方が多いのだろうし。

…話がそれてしまったが、もう一つのテーマの「死なないで」というメッセージについては、最初ドラマがどういう方向に進むものなのかよくわからなかったこともあり(サスペンスや法廷ドラマのように感じたこともあった)、これを届けたい人がこのドラマをみていただろうか?と少し疑問を感じた。