話としては、僕が大好きな(何度か書いたかもしれない)、特捜最前線の大滝秀治が余命わずかな服役囚の冤罪をはらすために執念の捜査をするというエピソードに似ててよかった。
ただ、クリント・イーストウッド演じる主人公がどことなく軽くて、作風も重たくしたかったのか軽くしたかったのかがどっちつかずに感じた。この時期のイーストウッドの作品をすべてみたわけじゃないけど、最近の作品が重たさを躊躇せずに描いているのとは違った感じで、まだ監督として自由にやれない部分があったからだろうか。
死刑の是非については多くの意見があるが、少なくともそこだけを切り出してYES/NOだけで論じている限りは無意味な論争にすぎないとあらためて思った。