幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

クレイトン・クリステンセン「イノベーションのDNA」

イノベーションのジレンマ」以来のクリステンセンだが、amazonのレビューにもあったようにクリステンセンの著書という感じではなかった。

ただしそれでおもしろくなかったわけではなく、本書は本書で参考になることは多かった。

 

  • イノベーションを望むなら、最高経営層に創造的スキルをもつ人材が必要
  • スマートリスクをとって失敗を犯し(実験)、失敗からすばやく学ぶ。よい失敗と悪い失敗
  • イノベーションに必要な現状を疑問視する質問力だが、質問を阻んでいる最大の要因は「ばかに見られたくない」「協調性がない人間だと思われたくない」である。質問の名手は自己肯定感が強く、誰からでも学ぶ謙虚さを備えている
  • 全員で他社のグッズを身につけてその企業の社員になったふりをして、自社の問題をまったく違う観点からとらえるTBWAの「破壊デー」

本書はイノベーションを産み出す力は後天的なものであるという立場にあるのだが、次のジョブズの言葉を引用してしまうと(意図は別としても)究極的にはやはりこれに尽きるな〜とも思ってしまうのだが。

「人生のほとんどのことで、最高の資質と平均的な資質品質の比率は、せいぜい2対1だ」「だがわたしが関心をもっている分野では - もとはハードウエア・デザインだが - 平均的な人間にできることと最高の人間にできることの比率は50対1、下手をすると100対1だ。だから、上澄み中の上澄みを求めることがいかに大切かがわかる。アップルがやってきたのはこれだ。」