幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

「流れよわが涙、と警官は言った」

流れよわが涙、と警官は言ったKindleでやたらセールになっていたこともあって、ディックばかりを読んでいるのだが、ハードなSF系という以前抱いていたイメージはあまりない。 本作も、主人公が突然自分が存在しない世界に迷い込んでしまい早い展開でページが進むのだが、このカラクリ自体は主題ではない。 読ませる部分は、「高い城の男」や「電気羊」と同じく、登場人物たちの心の傷の描写だったと思う。 ルースが話すベルギー・ウサギのエピソード、愛と悲しみの話はラストにもつながり、印象に残った。