幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

ブラック・クランズマン

どれだけ細かく焦点を合わせて見るのかが、迷う作品。
以下、ネタバレあり。


少しボヤッとした視点で見ると、おもしろかった。何よりロンやフリップとその周囲の雰囲気や、上司、署長など信頼できる人がいることが救いになっている。

ただ、やはりそれではすまない映画で、終盤でKKKの儀式と黒人の学生運動の集会とを対比させるシーンは、結局のところ「分断」がなくなるというのは幻想でしかないという気分にさせれられるし、ラストのシーンはもっと救いがない。

それにしてもこの問題(映画で描かれている人種に限らず)は本当に難しいと思う。(近いから集団になるとは言え)一人一人考えていることや環境も違うのに、集団として何か一つの個人のようになって、その過激な部分同士をぶつけ合ってエスカレートしていく。

同じ集団の人のことさえ本当にはわからない状態で、敵対する集団に属する人のことを理解することも難しいだろうし、ネットには嘘や極端な事例だけが示される。

これを利用して権力を得たり、カネを儲けたりする人たちがいる、というのも今に始まったことではないのだろうけど、暗い気持ちになる。