幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

テッド・チャン「あなたの人生の物語」

映画をみて、原作を読まないと、ということで。

表題作で、映画の原作でもある「あなたの人生の物語」は映画と違ってテーマが人類と全く異なる言語にあって、それを学ぶルイーズの中で過去から未来に流れるという時間の概念が変化する、というものだった。

これは原作から読みたかった。回想シーンのようでありながら未来形で語られる娘とのエピソードが実際に未来の出来事であることが徐々に明らかになってくる部分は、先に映画をみていたので楽しめなかった…。

映画では彼らとの接触がきっかけみたいに描かれていたが、言語が人の意識に与える影響という考え方が面白かったのに。

これと関連して、超能力を科学的に描いた「理解」もかなりよかった。意識と知能や、肉体。それらが互いにどのような関係になっているのか、という考察として楽しめたし、「顔の美醜について」もやはり人の意識や感覚とは?という思考実験的な話でまさに色々と考えさせられた。