幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

「超傑作選 ナンシー関 リターンズ」

確かAmazonでセールになっていた時に買ったまましばらく寝かせていたもの。懐かしい芸能人、TV番組、CMのことがたくさん出てきて、いろいろと思い出しつつ、楽しんで読んだ。

今更ながら得た知識として、杉本哲太が元横浜銀蠅の構成員だったこと。知らなかった。

あとは、フィクションの自伝が収録されているのだが、この内容が不思議な味わいがあった。ナンシー関の家系は代々細かいものが好きで米粒に彫刻をして仏像を作っていて、ただ来る日も来る日も米粒を彫り続けて、その仏像に魂を吸い取られて気を狂って40歳で死ぬという話。父がナンシーを細かいものから遠ざけようとしながら、最後はそこにナンシーが到達してしまい、結局消しゴムを彫るようになるという結末である。ナンシー関が39歳で亡くなってしまうこととの奇妙な符合で、冷静に読めなかった。