幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

ジョン・ル・カレ「スマイリーと仲間たち」

https://m.media-amazon.com/images/I/51Achy9ma5L.jpgスマイリー3部作(海外ではカーラ・トリロジーとのこと)の完結編。

読みにくさ(細かすぎる、深すぎる、まわりくどい描写など)は相変わらずだけど展開としてはよりハラハラドキドキさせる仕掛けも入って、少しだけどエンターテインメント色が濃くなってる。

筆者がコーンウォルにこだわりがあるようで、仕事で出張する場所に近く、馴染みのある地名が出てくるのも楽しかった(出張で行くのでそのものズバリの場所には行けてないけど、いつかは行きたい)。

基本シリアスな話だけど、ところどころ笑ってしまう場所があるのも良い。ここは自分も心の中で突っ込んだところ。

グリゴーリエフがカーラの話をきいた翌日に、もう愛人にそれをしゃべっていると知った衝撃から立ちなおれぬトビー・エスタヘイスにとって、その中断はありがたかった。

 

以下、ネタバレあり。

当然、完結編と位置付けられているので宿敵カーラとの決着も付く。全体の粘着質的な描写に比べてそこはあまりにあっさりと描かれていて、それこそが趣味が良いということも理解しつつも、ハリウッド映画的にもう少しその先、せめてカーラがなんと言ったのかということも読みたかった。

 

NFLプレーオフ 2023-24

www.nfl.com

今年もNFL Game PassでNFLポストシーズンを観たのだが、Game PassがDAZNに組み込まれてしまい、以前のひどい体験からかなり迷ったのだった。

一応、DAZNの通常のサブスクリプションとは違って独立してGame Passというサービスがあるので、Game PassをDAZNがホストしているだけみたいだし、他に良い選択肢もないので今回もBlack Fridayあたりで値下げされるのを待ってシーズン視聴できるサービスを購入した。6,030円だったので昨年よりも少し高かった、かつポストシーズン直前でさらに値下げされたので、そのタイミングでも良かったかも(ポストシーズン進出をかけた試合はおもしろかった)。

DAZNでのホストだが、以前のGame Passとほぼ同じ。ただしダウンロード機能がなくなったのは本当に最悪だった。ahamoで使える容量が増えたとはいえ、通勤で混雑駅近辺では回線速度が落ちるのでダウンロード機能は便利だった。

肝心のゲームだが、今年のプレーオフはかなりおもしろかったと思う。今年ようやくリアルタイムで観ることができたSuper BowlはOTにもつれ込んで劇的な結末だったし、LionsやPackersの健闘も良かった。

一番印象に残ったのは、今年もすごいゲームとなったChiefsとBillsの試合。またBillsが負けてしまったのだが、終了間際の同点のフィールドゴールを外すという劇的な幕切れで、まさにBuffalo 66のエピソードの元ネタにもなった(年代が変えられているが)1991年のSuper Bowlの再現となった。

来年はBillsが雪辱を果たせるよう、応援したい。

ジョン・ル・カレ「スクールボーイ閣下」

https://m.media-amazon.com/images/I/514QsoU8jfL._SY445_SX342_.jpg

スマイリー3部作の2作目。前作よりもさらに登場人物も増えて、上下巻という構成なので読むのに時間かかった。

本作では新聞記者であり工作員でもあるジェリー・ウェスタビーの冒険が描かれいて、前作よりもサスペンス・アクション的な要素は増えている。

ただ、面白かったのはスマイリー達イギリス情報部とイギリス政府、アメリカ情報部との会議の場面。政治的な駆け引きの緊迫感の一方で、これでもかというくらいの、半ばどうでもいいと言いたくなるレベルの細かい比喩表現はちょっと笑いそうになるほど。

茶色のレディは破れたフェルト張りをみつめ、その無きずだったころを思いだしたみたいに、なつかしげな笑みをうかべた。

 

さらばiPhone12 Pro

iPhone12 Proが壊れて、iPhone15を買った。

元のiPhone(以下、旧端末)のWiFi/Bluetoothが使えない、かつモバイル回線は物理的なSIMカードではなくeSIMという状況でのデータ移行の方法は以下のとおり(かなり特殊な状況なのであまり参考になる人はいないと思うけど):

  • Macと旧端末を接続して全てのデータをMacにバックアップする。iCloudへのバックアップでも良いのかもしれないが、試していないのでわからない。ちなみにこのバックアップから新しいiPhone(以下、新端末)に復元しようとするとソフトウエアのバージョン(メジャーバージョンだけ?)が合っていないとダメなので、アップデートは普段からこまめにやっておいた方がよい
  •  旧端末にeSIMがある(インターネットに接続できる)状態で以下を必ずやっておくこと。データを移行した時にeSIMを新端末に転送してしまうとそれ以降旧端末をインターネットに接続することができなくなるため
    • iPhoneを探す」をオフにする。これをやらないとデータ移行後、このiPhoneを初期化できない!
    • Apple Watchとのペアリングを解除する
    • ICOCASuica、ClipperCard(アメリカのベイエリアで使うもの)など複数端末に入れられないWalletを削除する(これによって一旦カードをサーバに置いたことになるはず)
    • LINEは、今回何もせずただバックアップ経由でデータ移行するだけで問題なかったが、以前はデータ引き継ぎの手順があったような気がした
  • 上記をやった後、新端末を一度新しいiPhoneとしてアクティベートした後、ソフトウエアのバージョンを最新にする
  • 再度新端末をリセット(初期化)して、今度はアクティベートの時にMacに接続して、旧端末のバックアップからの復元を選択する。この時にeSIMを転送するか聞かれるので、転送する(これでもう旧端末はインターネットに接続できなくなるので注意!)
  • Walletでカードを復元(追加)で元のカードを戻す
  • Apple Watchとのペアリング

たぶんこの手順でやればあまりハマらずに移行できたと思うけど、そうでない手順でとても苦労したので、以下は自分のために長文メモ

iPhoneが不調…

時々落とすこともあったし、それらが原因なのかわからないが、機嫌よく使っていたiPhone12 Proが気がついたら再起動して、かつApple Watchとの接続が切れることが頻発していた(Apple Watchのバッテリがあっという間になくなって気づいた)。

最初はポケットに入れているうちにボタンが押されっぱなしになってリセットされたりしてないか、とか、何かの衝撃でリセットしてしまっているのでは?などと疑った。その過程で背面トリプルタップという操作があることを今さら発見。

そのうち操作している間にも画面がフリーズした後にリセットがかかるということも起こり、再起動後Bluetoothがオフになっていることも。もう一度リセットするとBluetoothが復活することもあったが、そのうちWiFiBluetoothもオンにすることができなくなった。逆にこの状態になってからはリセットがかかる症状も起きなくなった。

一番困ったのはやはりApple Watchと接続できないこと。睡眠モニタも運動記録も同期されない(今回わかったが、Apple Watchがモバイル通信できてもそちら経由でこれらの記録がクラウドに上がることはない)。それとApple Watchのバッテリがあっという間になくなること。こちらは機内モードにすることで回避はできた。

Genius Bar

予約して週末にGenius Barに行ったところ、やはり無線系のハードウエアに問題があってリセットがかかるのも、この異常によるものとのこと。さらに修理はメインボードを交換することになるので6万円はかかるとのことだった。

新しいiPhone買うよりは修理費の方が安いとはいえ、3年前の中古モデルを買うようなものだし、結局データも一旦消えるようだし(データ移行なり復旧なりの処理はしないといけない)で、Genius Barの人も買い替えをおすすめするとのことだった。

それでやむを得ずその場で買い替えを決断したのだった。

iPhone15 Proのチタンの質感がとても良かったのだが、気に入っていたiPhone12 Proがこんな形で壊れてしまってテンションも下がり、どうせまた壊れるんだったら…と自暴自棄(笑)になって新しくてなるべく安いやつを、ということでiPhone15を選択。一応、デザイン以外のところでは今のiPhone12 ProからマイナスになるのはLiDAR非搭載くらいなので、納得はした。色もせっかくなので黒以外にしてブルーにした。

ちなみに全然安くない!

データ移行ではまる

旧端末のBluetoothが使えないので、隣に置いてほぼ自動で全部移行してくれる機能が使えず、バックアップからの復元で移行するしかない。あらかじめ危なそうなところはeSIMとモバイルICOCAとLINEだろうかと思っていた。

WiFiも使えないので、旧端末をケーブルでMacに接続してバックアップをとった(念のため最初Macに全データを、次にiCloudに重要データをバックアップする、という操作をした)。次に新端末のアクティベーションの中でMacに接続して、Macにバックアップした全データから復元するつもりだったのだが、なぜかiCloud経由での重要データの復元が選択されたのか、されなかったのか、Mac側には何も表示されずにiPhoneだけアクティベーションの処理が先に進んだのでわからない。アクティベーションが終わってみると、微妙に設定だけが復元された状態になっていた。(後から考えると多分バックアップからは何も復元されてなくてApple IDでサインインしたので、それに紐づいた情報だけが復元された状態だったと思う)

わけがわからないまま、eSIMを転送するかどうか聞かれたので、こんな簡単に移行できるのか?とうっかり何も考えずに転送を選択してしまった(これで何手間か増やすことになった)。eSIM転送前には新端末はWiFiで、旧端末はeSIMでインターネットに接続されていたので、両方で必要な操作をしてスムーズに転送ができ、新しいiPhoneにahamoのeSIMが入ってモバイル回線にも接続できた。ただし転送後、当然旧端末は全くインターネットに接続できない状態になる。

何となく設定が復元されたらApple Watchとの接続も引き継がれると思っていたのだが、旧端末とのペアリングの解除をしなければいけなかったようで、Bluetoothが使えない状態でもインターネットに接続されていたらそれができたのか今となってはわからないが、とにかく旧端末ではインターネットにも接続できず、調べてみるとApple Watchを初期化するしかなく、初期化して新しいiPhoneとペアリングした。

しかしApple Watchのデータは復元されず新しいApple Watchとして接続されただけ。iPhoneApple Watchもアプリなどが全く転送(再インストール)されず、やはりこれは何か失敗していると気がついた。

幸い、旧端末はまだ手元にあるのでまたMacに接続して、全データのバックアップをとり(iCloudのバックアップはせず)、その後新端末を接続すると、今度はこのバックアップデータからの復元が選べるようになっていた。ただ、買ったばかりのiPhoneiOSバージョンが古いためデータに互換性がないと言われ、一度新しいiPhoneとしてアクティベーションを終えた後、iOSをアップデートして、再度アクティベーションからやり直す。

今度はアプリも含めて復元され、Apple Watchも再初期化してペアリングからやり直すと、こちらも前のデータが引き継がれた!

モバイルICOCAの移行

最初に書いたとおり、これは旧端末がインターネットに接続できている時点でICOCAを削除しておかなければならなかった。それをせずに新端末でICOCAを追加すると、やはり旧端末にICOCAがある状態なので新端末のICOCAを有効にできない。ただ、旧端末が壊れてることもあるので、別の手順がちゃんと用意されていた。PCなどでICOCA会員サービスにログインして再発行の手続きをするというもので、即新端末でICOCAを有効化できる。ただチャージ残額は翌日の5:00以降に別途ICOCAアプリで受け取り操作が必要という少し変則な方法だった

ClipperCardの移行

できなかった。やはり旧端末で削除する必要があったのか、後に旧端末をインターネットに接続して初期化した後(あるいは単に日数が経過したから?)無事新端末に追加できた。

LINEは

バックアップから復元できた時点で全く旧端末と同じように新端末で使えているし、データも消えていない。昔から何か変わったのか、旧端末がインターネットに接続されていなければ問題ないということなのだろうか?

旧端末の初期化でハマる

データ移行もできたので、あとは旧端末を初期化して多分ゼロ円だろうけど下取りに出すだけ。が、初期化ができない!これは初期化する際にiPhoneを探すをオフにする必要があるのだがこの時にインターネットに接続されていないといけない。

どうしようもなさそうなので、結局嫁さんのiPhoneの物理SIMカードを借りてインターネットに接続してiPhoneを探すをオフにした(最初からこれを使っていれば上記の手間はかなり省けたはず)。

ただ、旧端末で初期化しようとした時にデータをiCloudにアップロードしようとして、「すぐに消去」を選択するのだが、これがうまくいかない。

最終的にはMacと接続して、Mac側で「iPhoneを復元」を選択して、ようやく初期化できた。

しんどかった!

 

リーチャー 正義のアウトロー シーズン2

Amazon Prime

シーズン1同様、自分の利益しか考えない冷酷な悪役を徹底的にやっつける、という展開で、爽快感はすごい。

シーズン1の方が謎解きの要素が強かった気はするし、その方が好きなので、次シーズンに期待。

ジョン・ル・カレ「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」

https://m.media-amazon.com/images/I/51RddINblBL.jpg登場人物がたくさん出てきて、かつ、それがファーストネームやファミリーネーム、あるいはニックネームや喩えで書かれたりするので、最初の1/3くらいまでは全く頭に入らず、メモをとりながらそこまで読み直した。

メモを片手に読み進んでようやく登場人物が頭に入るようになって、話も展開し始めて、後はもう読むのが止まらないくらいだった。

同じジョン・ル・カレ原作の映画「寒い国から帰ったスパイ」もそうだったが、アクションは全くなくスパイ組織の暗闘を組織内の力学、構成員の人間臭さを交えて精緻に描いていると思わせるところが良い。

登場人物の長い一人語り、少し回りくどい隠喩なども読み応えがあった。

不死身の保安官

IMDb

銃を西部開拓時代のアメリカ西部に売りに来たイギリス人が引き起こすドタバタコメディという異色の西部劇。

もう少しこのドタバタにリアリティがあればもっと面白くなったと思うが、ただ風変わりな主人公の突飛な行動に周囲が都合よく反応してしまうばかりで、ハラハラドキドキ感もない。

主演は本当のイギリス人俳優なのだが、全然イギリス人ぽくないのが意外(おそらく言葉遣いはイギリス的なのだろうが、発音はアメリカ英語にしか聞こえなかった)。

共演の女優がマリリン・モンローのコピーにしか見えなかったのだが、当時「ブロンドの悩殺的美女」の需要が高かったらしい(ジェーン・マンスフィールド Wikipedia