登場人物がたくさん出てきて、かつ、それがファーストネームやファミリーネーム、あるいはニックネームや喩えで書かれたりするので、最初の1/3くらいまでは全く頭に入らず、メモをとりながらそこまで読み直した。
メモを片手に読み進んでようやく登場人物が頭に入るようになって、話も展開し始めて、後はもう読むのが止まらないくらいだった。
同じジョン・ル・カレ原作の映画「寒い国から帰ったスパイ」もそうだったが、アクションは全くなくスパイ組織の暗闘を組織内の力学、構成員の人間臭さを交えて精緻に描いていると思わせるところが良い。
登場人物の長い一人語り、少し回りくどい隠喩なども読み応えがあった。