幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

ソーシャルイノベーションデザイン―日立デザインの挑戦

日立製作所デザイン本部による出版プロジェクトの活動成果ということもあり、自画自賛ぶりが気になったところはあったがおもしろかった。

デザインが単なる「皮被せ」からもっと上流の商品コンセプトの創出にまで深くかかわっていくようになった過程が書かれてある。僕自身の経験からも、こういうことはデザイン部門対開発部門のようなことになってしまって難しいと思っていたが、日立では「デザイナー」という人の中に認知心理学の専門家はもちろんのこと、製品設計に詳しい人も入っているのだそうだ(それでも本書に書いてあるのは成功例だけなのだとは思うけど)。

ただ、この本がおもしろかったのはそういうところではなく、やはり日立ならではという新幹線をはじめとする鉄道車両や運行システムにエレベータ、建機から発電プラントまで、と社会インフラにかかわるものについての話だ。 以前よりもいろいろな業界に関わるようになったこともあり、日常利用しているものの裏側がどうなっているのかとても気になるようになっていたのでそのデザインの話も楽しんで読めた。

エレベータに鏡がついている理由ははじめて知った。