幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

「戦略的思考をどう実践するか」

実生活や仕事にすぐ活かせるかどうかは別としても、すごくおもしろかった。

ゲーム理論の本はずいぶん前に読んだ記憶はあったのだが、基本だけ(囚人のジレンマなど)という感じでここまではおもしろいと思わなかった。本書は豊富な応用例が紹介されているおかげで読み物としても楽しめた。

以下、いくつか興味深かった部分。

ちょうど読み始めた頃に北朝鮮の砲撃があったこともあり、キューバミサイル危機を例にした「瀬戸際戦略」の説明は興味深かった(これにあてはめると北朝鮮がまともに考えて行動したのだとすれば、何もしなければこのまま体制が崩壊してしまうと認識しているという見方が正しそうだ)。

キンゲーム(直線道路で向かい合わせで車を走らせ、先にハンドルを切った方がチキン=負けというゲーム)に勝つ可能性を高める戦略として「相手にはっきりみえるように自分の車のハンドルを取り外して窓の外に投げ捨てる」という、自分の選択を狭めることでゲームの性格を変えて好ましい結果につながるという説明もなるほどと思ってしまう(自己責任で実行してくれと注釈があるが、一度は実践してみたいものだ)。

世界じゃんけん選手権というものがあるとはじめて知った。いろいろな戦略(均等ミックス、パーなどを3回連続で出すもの、1種類をいっさい用いないもの、など)が試されているようで、こちらも興味深い。

誓いや目標を達成できるかどうかという考察では、誓いを立てた自分とそれを実行する自分とのゲームとみなすなど、日常にもゲーム理論で考えられることは多い。もちろんそのモデルまで単純化したり数値化するところは複雑だろうけど。