幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

12人の怒れる男

かなり昔に観て、ストーリーもそうだし、この構成(登場人物、場面)にもすごく感動した作品。 またテレビで放送されるだろう、と思っているうちに二度と観る機会もなく(モノクロ作品はもうテレビではやらないのか)、忘れかけていたところBlu-ray版が出ているのを見つけたのだった。 映像の古さを除くと、テーマや状況も現在のアメリカとあまり変わっていないことにまず驚いた。 人が人を裁くにあたって裁く側の責任・覚悟、「もし間違っていたら」と真摯に問い続ける姿勢、は時代に関係なく必要なものだが、最近日本でも起こっている様々な事件やそれを巡るネットでのデマなど、むしろ後退しているのでは?と思ってしまう。 一番感動するのは、最初は一つの結論に決めつけていた一見頭の固い人々が、一人の男(ヘンリー・フォンダ)が仕掛ける丁寧な議論によって現実と向き合って、先入観を捨てて真摯に真実を求めようと変わっていくところ。 何事にもこういった姿勢は欠かせない。これからも時々見返したい。