幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

レイ・クロック「成功はゴミ箱の中に」

「戦略読書日記」で紹介されていたので。

マクドナルド(現在の世界的なハンバーガーチェーンとしての)創業者レイ・クロックの成功は、大局的な理論というよりは、本人が持つ直感や情熱、人を見出す力といったものに負うところが大きかったと読める。

なので、本書はビジネス書というよりは伝記に近い。

 

それでも、この人の直感(あるいは長年のセールスマンとしての経験?)から発せられる言葉は説得力もある。

私は、職権というのはいちばん下のレベルにいる人の手にあるべきだと常に考えていた。店にいちばん近い立場にいる人間が、本部に指示を仰がずとも決断できるべきだと。

 

ただ、一番面白かったのは(「戦略読書日記」でも書かれていたが)、この人の恋愛体質なところだろうか。ジョニと出会い(どちらも既婚)、

何ということだ!彼女の美しさに驚いた。彼女も私も既婚者だったので、目が合った瞬間のときめきは打ち消さなければならなかった。だが、それは私にはできなかった。

レイはジョニと結婚するために最初の妻と離婚するが、ジョニは決断できず、レイは傷心の日々、仕事に打ち込むのだが…

生まれつき独身体質の人は存在する。でも私は違う。人生には伴侶が不可欠だと信じていた。だから私はジェーンに激しく惹かれてしまったのだと思う。

と、ジェーンと出会って結婚する。が、

ジェーンとは幸せだった。だが、私が過去に心から愛し、今後も愛し続けるのはジョニ一人だ。

などとやはりジョニを忘れられない、そして…

ジョニと五年ぶりに再会した。正直に言って、初めて彼女に会ったときに感じた衝撃はもう二度と起こらないだろうと思っていた。だが、それは間違っていた。

結局、ジェーンと離婚して、ジョニと結婚したのだった。

このあたり、やはり癖のある人なのだろうと思うが、映画化されてて、そちらは完全に悪人として描かれているようだ。本書ではずる賢いマクドナルド兄弟(オリジナルのマクドナルド創業者)との闘いが書かれている。映画は逆の立場から見たものなのかもしれない。これは観てみたい。

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