幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

マトリックス レザレクションズ

今さら、新作を作ってどうする?と思ったが、ある程度予想できた「マトリックス正月特番」的なもので、ファンとしては楽しめたけど正直作らなくてもよかったのでは?と思えた作品だった。

以下、ネタバレあり。

 

こういう作品の「続編」というのは、だいたい3種類あって、一つは正統な続編、もう一つは世界観を共通とした別の話、そして滅多にはないけど過去作の世界のちゃぶ台返し的なもの(小説のリング→らせん→ループ、みたいな)。

で、いきなりマトリックス前3作がトーマス・アンダーソン(ネオ)が作ったゲームだった、という世界が描かれて、まさかのちゃぶ台返しパターンなのか!?とかなり戸惑ったというか、期待したのだが…。

…結論として本作は正統な続編で、あの3部作のラストのその後を描く必要があったのか?という疑問には、答えることはできていなくて、そこは残念だった。

ただ、正月特番と書いたように前3作のファンへのサービスはしっかりと盛り込まれていて、それらは十分楽しかった(裏返せば前3作をみていない人は完全に対象外という映画)。

第1作の数々の名シーンとのシンクロや、前3作の登場人物の再登場(ナイオビは同じ役者が演じているとはわからなかった)もあり。中でもプログラムであるサティーが成長した姿で再登場したのは、前作のラストで描かれた希望とのつながりも感じられてよかった。

細かいところでは、エンドロールでクリスティーナ・リッチが出ていたことを知って、ネットで調べてやっと分かった(冒頭の世界でメタ的な立場でマトリックスの続編について議論する人たちのうちの一人)。また重要な役を演じたニール・パトリック・ハリスはよかったとは思うが、意外性がないキャストなのでもう一捻り欲しかった。

追記:
人間爆弾のシーンは怖すぎた。あと、本作のテーマについてあえて書かなかったけど、今、「マトリックス」が持つ意味を再び問うことの製作者側の意図はもちろんわかる(その上で、この形でやるのがベストとは思えなかった、ということで)。