CUTに連載されていた松尾スズキの製作日記をときどき読んでいたからか、拙い表現だなと思うところと、けど全然許せてしまうというところがたくさんあった。
が、そんなことはどうでもいいくらいに、おもしろいと思えた映画だった。
何よりもよかったのは酒井若菜。
NHK BSの「真夜中の王国」のパーソナリティをやってて映画について結構鋭いことを言う姿にしびれてたのに加えて、マンハッタンラブストーリーでもやられてた。この映画でもすばらしかった(そういえば最近みてなかった)。
松田龍平もいい俳優になったと思う。あとはちょびっと出てくる有名人の中では田辺誠一が一番おもしろかった。
隠れた(?)テーマとしては「男なら売れてから能書き垂れろよ」の子供のセリフに象徴される、永遠のテーマといえるやつか。これに関しては僕も低レベルながら悩んでた時期があった。やっぱりBeatlesはすごかったのだなーと無条件に思ったものだった。
どの分野にしても、実際に作る人やPlayerのレベルと趣味程度にそれにお金を払うユーザ・観客との間には大きなレベルの差はあるものだ。
極めれば極めるほどそれについてくる人が減っていくという不幸は奥が深い。単純に食べていけるかどうかというよりも、わかってくれる人がどれだけいるのかという点で。