すごく恥ずかしい言い方だけど、最近読んだ本の中でこれほど知的刺激を感じた本はなかった。
どうしても専門分野の本にしても、ビジネス関連の本にしてもどこか実用本位のものを手にとってしまうことが多いというのもあるけど。
産業革命がなぜあの時期にあの場所で起こったのかを検証しながら、人類も農耕社会の出現により「勤勉さや正確さ」という能力で淘汰されてきたこと、アートな技能が必要とされつつも意外にも狩猟時代の方が労働時間も短かったりといったことが例示されている。
読んでいくうちに、今のITの進歩は農耕社会・工業化社会の労働に対する支配的な価値観を変えつつあるとあらためて感じた。
単純労働(肉体労働かどうかは関係なく)が今以上に機械化されていくことは間違いなく、そのときに多くの人は何をしているのだろう?
そもそも働く意味とは?幸せとは?と、まとまらないままいろんな考えが頭の中をひっかきまわしていく感覚を味わえて楽しかった。