幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

テッド・チャン「息吹」

レビューが相当に良かったので、かなり期待したのだが、ラストの「不安は自由のめまい」がなければ、期待外れだった。

好みによると思うが、どれも仕掛けもストーリーも期待したものに比べて小さくて、物足りない。

ただ、ラストの「不安は自由のめまい」はかなり良かった。量子力学を使ったパラレルワールドものだが、プリズムを通したコミュニケーションの制限と、人々がそれを使って自分にあり得た別の可能性を確認する、という仕掛けがおもしろかったし、オチはホロリと来るものがあった。

これだけのための一冊だったと思えば大満足。