幻覚ギター

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「BORN TO RUN 走るために生まれた」

BORN TO RUN 走るために生まれた ―ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”知人が500kmとかいう距離のマラソンを走ったという話を聞いてウルトラマラソンには興味を持っていた(自分が走るとかいうのは論外だけど)。本書についてはあまり内容を知らずに、ただ「走ることだけでこんな1冊の本にできるのかな?(村上春樹のエッセイは別として)」という好奇心だけで読み始めたのだが、予想を大きく裏切っておもしろくて感動的な本だった! ハードボイルド小説っぽい導入部から、現実の話なのかフィクションなのか戸惑いながら読み進めると、「走る民族(ララムリ)」、タラウマラ族の驚異的な習性や、続々と現れる個性的なウルトラランナー、走ることを武器として生き残ってきた人類の身体、そして銅峡谷での伝説的なレースへという巧みな展開にどんどん引き込まれていく。 タラウマラ族を含めて、ここに出てくる超人的なウルトラランナーってヤク的なものを使っているかどうかは別として、本来働かないといけない精神的なリミッターが壊れているという印象。そういう何でもありの状態で走るマラソン(42.195km)の世界記録がどうなるのかもちょっとみてみたい。 ウルトラマラソンのシド&ナンシーにしかみえないジェンとビリーは特に魅力的だった。二人が傾倒したケルアックの「ザ・ダルマ・バムズ」は読んでみたい。 これは映画化されたら絶対みに行く。