アカデミー作品賞ということで社会問題とのリンクが注目されたし、自分もそういう作品なのかな、と思いながら観たのだが、結局のところポン・ジュノ監督作品で大好きなグエムルと作風は同じ、良い意味で規格外なエンターテインメント作品で、すごく面白かった。
グエムルでも韓国の社会への問題提起的なものは散りばめられていたし、その矛盾を一気に目の前に突きつける存在が水中からあわられた怪物グエムルだった。本作ではその役割を担ったのが地下の住人で、クライマックスの惨劇のシーンはグエムルが人を次々と襲う場面を思わせるものだった。グエムルでも都会の片隅の、誰の目にもつかない「地下」のような場所がグエムルの隠れ場所だった。
ただ、そういう見方もできる一方で、普通にハラハラドキドキする展開に沿った映画でもあるところがよかった。後味は決して良くないけれど…。
偉そうに書いてるけど、ポン・ジュノ作品はこの2作品しか観ていなかった。他がどうなのか興味がある。