幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

アイザック・アシモフ「銀河帝国興亡史」

  もちろんタイトルは知っていたのだが、1950年代の古典というイメージで手を出さずにきた。「三体」の解説で言及されていて気になって読んでみたのだった。

こんなに面白いとは思ってなくて、もっと早く読んでおくべきだった。本作が後世の作品に与えた影響の大きさも実感できた。

 

心理歴史学ハリ・セルダンが立案した「プラン」と「ファウンデーション」を軸に流れる宇宙の歴史、それぞれの事件とそこに登場する人物たち、それらとハリ・セルダンが仕組んだ「プラン」がどのように関与するのか、という展開がまず面白い。

さらにミュールという「プラン」の想定外と思われる存在の出現により「第二ファウンデーション」の存在が鍵を握るようになり…と謎解きの部分もどんどん盛り上がっていき、最後の種明かしまで、読むのをやめられないほどだった(ほぼ盆休みはこれを読んでいたような)。

もちろん「三体」はそれ独自の面白さがあるが、壮大な謎解きが宇宙スケールで、長い年月を経て展開するという要素は間違いなく本作からの影響だと思えた。

 

解説を読んで知ったのだが、本作はこの三部作で一旦完結したあと、続きがアシモフ本人およびその死後は別の作家によって書かれている。ただ、これらは電子書籍化されていないようで、さらにこのタイミングでなぜか新訳版が出るようで…。新訳版で全部読み直さないといけなくなるのだろうか?

さらに、本作はApple TV+で映像化されるようで、こちらも楽しみ!(どこまでの話なのだろうか?)

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