幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

グレッグ・イーガン「ディアスポラ」

壮大なハードSFで、ついていくのは大変(ところどころは雰囲気で理解)だったけど、面白かった。順列都市と構成が近い。

人間の記憶や意識をスキャンしてコンピュータ上で走らせる<移入>の世界が当たり前の世界を、ほぼ説明なくグイグイと物語を進めていく序盤から圧倒される。が、実は巻末に用語解説があった…(これはネタバレにもなるから巻末につけてるのかもしれないけど、意味がない)。

ただ、<移入>の世界が当たり前とはいえ、他の短編でも時々出てくる、肉体や死の意味を問うことは一つのテーマにもなっていて、肉体人でもちゃんと感情移入できる(笑)。

もう一つのテーマで本作を壮大にしている、高次元とそれを操れる異世界生物の存在は、三体の最終巻は本書からも相当に影響を受けたのだと思えた(両方の元ネタ的なものがあるのかもしれないけど)。