幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

マイティ・ソー/ダーク・ワールド

MCUで一つ観てなかった作品。やっと観れた!

以下、ネタバレあり。

 

あまり面白くなかった。この頃のMCU作品は結構ワンパターンだったのだな、と思ったのと、MCUの中で本作はあまりに雑に扱われていないだろうか?とも思った。

本作があまりよい出来ではなかったから、この流れでの続編を作りにくかったのかもしれないけど、やはりジェーン(ナタリー・ポートマン)とソーとの関係が本作を最後にフェードアウトしてしまったのは残念。

王になることへの抵抗感をソーが示しているのと、母親への想いはエンドゲーム までつながっているけど(なのでエンドゲーム を観るには本作は必須)、やはりジェーン…。

 

スパイダーマン:スパイダーバース

映像がとにかくすごい。完全なカートゥーンタッチから、実写と見分けがつかないようなものまで、自由に行き来しながらたくさんの情報を詰め込んでいて、みているだけで不思議な感覚になる。

 

ストーリーも、スパイダーマンの王道である、成長や家族といったテーマを扱いながら爽快感やユーモアもあって、おもしろかった。

続編も決まっているとのこと、本作はまだまだポテンシャルの一部を見せただけという余裕を感じたので、次作が楽しみ。

 

スタン・リーがまだ出てるのは嬉しい。

「火星の人」

オデッセイの原作。映画で感じた都合よすぎなところが、もう少し細かく解説されていて、あたらめてワトニーすげー!(特に嵐の大きさと方向を予測する問題を解くところとか)となった。面白かった。

ワトニーを救うために、最悪のシナリオと対策を設定しつつ作戦を変更するアレス3の仲間の話は涙が出そうに。

 

ただ、やはり善い人と組織しか出てこなくて、ファンタジーっぽくなってるのが惜しい。いや、自分たちが生きている世界はこういう世界だって思いたいけど。

村上春樹「職業としての小説家」

小説家志望というわけでもなく、村上春樹が好きというほどでもないけど、何が書いてあるのか、とにかく読んでみたかったので。

小説を書き続けることの難しさと求められる資質の話、長編小説を書くときのプロセスや、孤独な作業とフィジカルの重要性など、なるほどと思えることばかりで、面白かった。

中でも、一世を風靡する流行作家になりながらも、郵便局に勤め続け高いポジションまで出世したというアンソニー・トロロープという作家や、カフカも公務員の仕事をしていた、という話は興味深い。

ガラスの仮面の仏師海慶が、普段は役所に勤めていて、人と関わることが修行になっている、という話を思い出した(笑)

スター・トレック:ピカード シーズン1

www.imdb.com

スター・トレックTNGは、本当に大好きなTVシリーズで、最終回がシリーズ全体のエピソードでも上位にくるという、理想的な終わり方もよかった。

それだけにその後に続く映画が徐々につまらなくなっていったのは残念だったので、本シリーズも心配だったのだが…。

以下、ネタバレあり。

 

うーん、シーズン最終話で全部ぶち壊した感じ。

相変わらずロミュランが悪役なのか…とか、またボーグと戦うの?とか思ったりしながらも、データの娘と言えるソージとピカードが、昔のデータとピカードのように人間とは、生きるとは?ということに真摯に向き合っていく展開にひき込まれた。

イカーやトロイにボーグキューブ、さらに日本語吹替のキャストはTVシリーズと同じで、TNGはテレビでみてたので吹替版で懐かしさに浸ってた。

 

が、問題の最終回。
たくさんの敵、そこに駆けつける味方たち、よくわからない穴からこちらに攻め込もうとしてくる正体不明の敵、都合よく穴が閉じて敵は来なくなる、どれもこれもどこかでみた映像、シチュエーション。アベンジャーズか?スターウォーズか?最近の流行りなのか?どうして、このシリーズでこんな場面を作る必要があったのか。

スーパーシンスなんて何かもよくわからん、というか、全く知的なイメージもなくただの怪獣やん。こんな興醒めなことはない。

データとの本当の別れで少し取り戻せたのも束の間、そんなんありか?というラスト。いろいろとぶち壊してくれた。

シーズン2はあるのか?あったら観るのだろうか…?

「ユニクロ帝国の光と影」

買ったまま放置してたが、「成功はゴミ箱の中に」柳井正のあとがきなどがあったので、その流れでやっと読んだ。

文庫版の最後に加えられた新章(この本と文藝春秋ユニクロが訴えた裁判について加筆)を読むまでは「けなしつつ、実は褒めてる、うまい作りの宣伝本か」とまで思った。いや、もちろん自分はブラック企業を容認する気は全くないけど、ユニクロの企業としての努力(裏返すと厳しい事業環境にある)がよくわかる。

が、訴訟が全てを台無しにしてる。2011年当時、まだユニクロはブラックというイメージではなかったからダメージが大きいと判断したのか?

ただ、サービス残業が実際にあったのは明らか(と思えるが)なのに、あえて訴訟するというのは、恫喝なのか(逆にイメージ悪いだろう)、あるいは本当にサービス残業はないと柳井氏は信じたのか(まさに裸の王様であることを露呈するだけ)、よくわからない…。

 

 

ファウンダー

「成功はゴミ箱の中に」からの繋がりで。マイケル・キートンがレイ・クロックを演じてる。

先に映画の批評を見ると、みんなレイ・クロックのことをボロカスに書いている。確かに、前述のレイ・クロックの本でも、カネで解決、とにかくたくさん払った!彼らもハッピーだろう、というエピソードはいくつか出てくる。

やはり相手は納得していたわけではないのか、あるいはその後のマクドナルドの大成功を見て、あんな金額で手を打つべきではなかった、騙された!という気分になったのか、それはわからない。

 

マクドナルド兄弟との決着では、マクドナルドの収益から永遠に1%を兄弟に支払うという要求を契約書には記載できないが、紳士協定で支払う、とレイ・クロックが約束したということが映画には出てくる(本にはない)。が、レイ・クロックはこれを守らなかったと…。

まさに言った言わないの話なのか、やはりその後兄弟の店(契約からビッグMと改名)の向かいにマクドナルドをオープンしてその店を潰したということまでやるレイ・クロックだから(これは本人がマクドナルド兄弟への恨みとともに書いている)、映画の通りなのか。いずれにしても相当にえげつないおっさんではあったのだろう。