幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

漫画版のナウシカを読んだのは2010年ごろで、当時も衝撃的だったし感動して、以来好きな漫画の一つになった。

本書はさまざまな分野の論者が漫画版ナウシカについての考察を行うというもので、それぞれ興味深い内容だった。

新型コロナや戦争、世界情勢の緊張の高まり、AIの進化といったものを目の当たりにしている今、ナウシカを読むと…、というテーマでもあり、久しぶりに漫画版を読んでみた。

特に最終盤で語られる、「火の七日間」が起こる直前の世界情勢がそう遠くない未来に感じられて、宮崎駿の先見性というよりは、繰り返される歴史から学べない普遍的な人類の愚かさというものに、驚きというか無力感を抱いてしまう。