幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

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イギリス出張の往路機内でみた。とにかく鬱な展開で、ロバート・デ・ニーロとディカプリオの見事なまでのクソ野郎なりきり演技を堪能するしかない。

以下、ネタバレあり。

 

人間が邪悪になるのには単なる私欲ということだけでない、その人なりの大義があって、この手の映画ではそれを描くパターンが多いと思うのだが、本作に出てくる人たちはそれがなく、ただ私利私欲の追求のために簡単に人を殺す。アメリカ先住民を人とも思わない価値観だけでなく、同じ白人も平気で使い捨てる。

主人公(ディカプリオ)は妻の薬に毒を入れることに対して葛藤もするのだが、映画でみる限り、とても弱く都合の良いもので、あくまで自己憐憫・自己中心的なものにみえた。

スコセッシが描きたかったのは、人間が本来持っている悪さなのか、何なのか、残念ながら納得できるものを見つけられなかったので、原作を読んでみようと思う。