幻覚ギター

みた映画、きいた音楽、よんだ本。

2022-01-01から1年間の記事一覧

中島らも「今夜、すべてのバーで」

タイトルからして「頭の中がカユいんだ」みたいな、実体験をもとにしたアルコールに絡む軽いエッセイ的なものを予想していたのだが、読ませる小説で終盤の展開には泣いてしまう。 以下、ネタバレあり。 綾瀬少年の死、医師赤河との殴り合いから、天童寺家の…

The Boys シーズン3

www.imdb.com The Boysは毎シーズンとも、見るのにエネルギーが必要でシーズン序盤はしんどいのだけど、途中からは止まらなくなる。シーズン3もやはりそうだった。 これ以上ないひどい描写が続くけれど、各キャラクターの心情の揺れや成長もしっかり描かれて…

藤本隆宏「現場主義の競争戦略」

2010年から2013年にかけての著者の講演録をもとにした「ものづくりの現場の視点から見た日本産業論」。 リーマンショック後の不況・円高、東日本大震災、テレビ産業不振といったその時々の状況から議論されていた「日本製造業への悲観論」に対する著者の主張…

「バカな」と「なるほど」経営成功の決め手!

楠木健氏の「ストーリーとしての競争戦略」や「戦略読書日記」でも紹介されていて、読んでみたかったのだが、当時は廃刊になっていたものが、まさにそういう要望に応える形で復刊されたもの。 タイトルが全てを表しているエッセンス的なものは、そのとおりで…

The Boys: Diabolical

www.imdb.com The Boysのメインストーリーの周囲を短編アニメで描いた作品群。マトリックスでのANIMATRIXのような感じ。 当然、本編の世界観というか、あのエグい描写はアニメになっても変わらず、そもそものタイトルが"Diabolical"(極悪非道が一番当てはま…

アメリカ出張(その他)

アメリカは6年ぶりだったが、サンフランシスコは約10年ぶり。 サンノゼに行く際に通り過ぎるだけのことが多かったが、SFOはLAXに比べてもきれいで好きな空港だし、久しぶりに来れてよかった。 いろいろと風景も変わっているかと思ったが、今回の滞在で見た限…

シン・ウルトラマン

shin-ultraman.jp マーヴェリックとどちらにしようか迷ったのだが、少し前に久しぶりにシン・ゴジラを見て、やはりおもしろいと思ったので。 シン・ゴジラに比べると、オリジナルに新しい解釈というか設定を加えた上で結局のところオリジナルをなぞっただけ…

アメリカ出張(出入国手続き)

前回はCESでラスベガスに行った6年前だった。 約2年前の異動で、英国との仕事が中心になったもののパンデミックの中、全てオンラインでやってきた。ようやく昨年末あたりからそろそろFace-to-Faceで…という話が出始めてやっと、ただ航空便にも混乱をきたす世…

ウエスト・サイド・ストーリー

ウエスト・サイド物語は何度か観たが、いつも結末を忘れてしまって、本作の結末と同じだったのかどうか思い出せなかった。 以下、ネタバレあり。 こんなに悲しいラストだったっけ?と思ったのだが、後で調べたら基本的には同じ結末だった。 「トゥナイト」な…

DUNE/デューン 砂の惑星

原作も読んだことないし、デヴィッド・リンチ版も観たことないので、何の予備知識も思い入れもなく観れた。 2部作の前編ということで、まずは物語の舞台と登場人物の紹介がほとんどで、最後やっと展開があってようやく物語が始まる、と思ったら終わりだった…

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス

marvel.disney.co.jp 公開二日目にみて、ネタバレを書くのも憚られる気分だったので…。 とにかくやりすぎ(笑)。でもそれが楽しい。もうお腹いっぱいという感じ。 以下、ネタバレあり。 予告編もほぼ観ずに(ノー・ウェイ・ホームの最後で流れたものくらい…

スター・トレック:ピカード シーズン2

www.imdb.com シーズン1はもう2年前だったのか、とシーズン1についての記事を探して気づいた。 あくまで、これは固定化されたレギュラーメンバーで作られる前提のテレビシリーズだと、納得しないとみてられない作品。 以下、ネタバレあり。 テレビシリーズで…

ホーリー・モーターズ

アネット以来、レオス・カラックスの映画が観たくて、Tokyo!に続いて(どちらもPrime Videoにあったので)。 冒頭いきなりレオス・カラックスが出てきて(アネットもそうだった)、さらに白いリムジンに乗って、いろいろな人を演じることを請け負うオスカー…

TOKYO!

ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノの3人によるオムニバス映画。3作ともそれぞれの監督作品らしくて楽しめた。 普通に一番面白かったのは、ポン・ジュノによる"Shaking Tokyo"。東京と地震・引きこもりをテーマにした作品。香川照之と…

アネット

annette-film.com レオス・カラックス(「汚れた血」は生涯ベスト10には入るほど好きな映画)がミュージカルを撮ったということで、すごく気になっていた作品。シネ・リーブル梅田のodessa music上映の最終日になんとか間に合って鑑賞。 レオス・カラックス…

堺屋太一「組織の盛衰」

前半は特に、組織のそもそもの目的やそれを果たすための構造(共同体組織と機能組織など)やトップ以下の主要ポジション(部門長、参謀、補佐役)と役割、さらに陥りやすい問題点などが、教科書的に整理されていて参考になった。 後半は、本書が発刊された19…

ナイトメア・アリー

ブラッドリー・クーパーとケイト・ブランシェット、欲望渦巻く怪しげな世界、ということで興味を掻き立てられて。 期待以上にハラハラドキドキする場面もあり、また心揺さぶられる場面もあり、本当に良い映画だった。これはおすすめ。 以下、ネタバレあり。 …

REACHER

www.amazon.co.jp トム・クルーズ版の映画はどちらもおもしろかった。ただ、どこかのレビューか原作者の言葉かで、リーチャーは大男という設定なのでトム・クルーズは違う、というのが気になっていた。 本作のリーチャーは原作どおり?本当に大男で、こんな…

JUNK HEAD

gaga.ne.jp プロでない人が一人で作り始めたストップモーションアニメとの前知識で、クレイアニメ的な動きを予想していたが、すごくスムーズに動くし、思ってた以上にカルトな雰囲気が良かった。 以下、ネタバレあり。 ただ、主人公の「元の生活」がほんのチ…

「経営パワーの危機」

時々こういう本を読んでおかないと、目の前のことだけしか見えなくなってしまう。 書いてあることはどれもよくわかるが、重要なのはそれを実現できるか。それも自分がやれるかどうか、ではなくて、組織としてやれるか、やれる組織を作れるか、ということ。 …

ヴェノム

いきなりネタバレあり。 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのエンドロール前の場面が全くわからず、後からヴェノムをみないといけなかったと気づいたのだった。 シンビオートはスパイダーマン3に出てきたのを覚えていたが、ヴェノムも出てたっけ?という…

男はつらいよ 寅次郎忘れな草

最重要人物であるリリー登場の本作、ようやくみれた(1周目はこれを見逃してテンションが下がって一度中断して、2周目はちょうどこの後の作品から再開したのだった)。 前半の二人に共通する流れ者の孤独を語るシーンは良かったが、終盤、リリーは同類だと思…

3時10分、決断のとき

1957年の作品のリメイク。リメイクされるだけあって(オリジナルは観てないけど)ストーリーが良い。 それに主演二人(ラッセル・クロウとクリスチャン・ベール)が素晴らしかった。 以下、ネタバレあり。 特にラストで二人が列車に向かって逃げる過程でのや…

スパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム

www.youtube.com 前作は結果的には箸休め的、次への新たな局面の導入部的な作品だったので、本作がこんな衝撃的な展開になるとは全く予想していなかった! 以下、ネタバレあり。 これまでのスパイダーマン映画シリーズから奴らがやってくるのは予告でもわか…

「近代ヨーロッパ史」

Amazonのセールで買ったまま忘れてたやつ。 実は世界史をちゃんと勉強したことがないので、時々こういう本が読みたくなる。 分量的に仕方ないが、細かい部分の説明はあっさりと、大まかな流れを捉えるものになっている。 それでも第一次世界大戦に至るまでの…

中島らも「頭の中がカユいんだ」

著者自らが文庫版あとがきで以下のように書いている。 「明るい悩み相談室」のファンの人がこの本を読むと、どういう反応が起こるのだろう。僕にはそれが興味深い。 まさに「明るい悩み相談室」のファンだった自分は、中島らもがこんなに(良い意味で)ぶっ…

NFL Super Bowl LVI

www.nfl.com チャンピオンシップで、チーフスがOTのコイントスに勝った時点で、先週と同じ結末か!と思ったのだが…。自分的にはチーフスが出ないSuper Bowlはあまり盛り上がらなかったのだが、それでも面白い試合でよかった。 DAZNのSuper Bowl配信は、Live…

眼下の敵

1957年の作品ということで、後に続く(この前に同じような作品があったのかは知らないが)潜水艦映画にも多くの影響を与えたのではないだろうか? 駆逐艦と潜水艦の艦長同士の頭脳戦が盛り上がる。 以下、ネタバレあり。 両艦長とも死ぬラストもあったとのこ…

小松左京「果しなき流れの果に」

この作品が自分が生まれる前に書かれたもの、ということが最初は衝撃的だったが、読み終わってみるとそんなこととは関係なく、ただただ圧倒されてしまった。 「三体」や「ディアスポラ」と同様、とにかくスケールがでかい。 時空を縦横無尽に駆け巡る展開が…

ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場

クリント・イーストウッド監督作品で、序盤のクリント・イーストウッド演じるハイウェイ軍曹が、その後の「グラン・トリノ」などを思わせるキャラクターで、これは重要作品だったか…と思ったのだが。 落ちおぼれの兵士たちや、ひ弱なキャリア士官を掌握して…